感想文 ~『乱打 meets 正確性 feat. 速度』 を読んで~

 かのタイプウェル国語R,英単語全一テルさんが4年ぶりのブログ更新をなさっておりました。

 

uta202.blogspot.jp

 

 

 正直わけのわからんタイトルはさておきとして、非常に興味深いテーマです。これは記事読みながらニコ生であーだこーだ言うしかないと思ったんですが、あいにく風邪ひきました。声出ません。ってことで情熱の冷めないうちに、いつも通りキーボードでね、語っていこうかなと。

 あと、基本的にずっとタイプウェル記録更新のための話であるってのが前提(…ですよね?)なので、そこだけ気をつけとかないと混乱するかもしれません。

 

 最初いかにもそれっぽい感じでパネルディスカッションにおける僕の発言が引用されてまして、たのんさんの発言との対比として使われています。

 えー、ぶっちゃけ僕はたのんさんの方に近い考え方です。普段50ミス叩くようなことなんて実際ないですし、記録更新するときはノーミスまでいかなくても一桁ミスぐらいってことが多いです。

 じゃあなんで言ったんだって感じですが、ちょっと極端なこと言いたかったんです。中2病だからね。他のパネリストで言うと珠さんも確か乱打サイドだったと思うんですが、職業タイパーなってますし、「乱打こそ正義」の立場も出しておかないとなーと。

 

 

考え方0「(TW以外の種目では)ミスすると点数が減るんだから、ミスは減らすべきだ!」

考え方1「(TWに関して言えば)速ければそれでいいのだから、乱打でも構わない!」

考え方2「(TWではミスは記録に関係無いとはいえ、)ミス=無駄。減らすべきだ!」

考え方3「そもそもミスしてるようじゃ駄目。ダサい。とにかく減らすべきだ!」

 

考え方4「正確性の意識は速度を阻害するのだから、積極的に乱打すべきだ!」

 ってのはないのかな?と思いました。乱打って基本的に悪いイメージですしちょっと挙げにくいですかね。

 僕個人の考え方でいうと1と4の間ぐらいです。*10ははいはい正論だねと思います。3はちょっと価値観違うかなと。で、考え方2については、実際に主張する人も多いし、腑に落ちないまでも、話を聞いていると「あぁ…確かに…?」と思うことが多いです。ピンときてないんですね。ということで、考え方2について理解することを主目的として読んでいきたいと思います。

 

 

「正確性」「ミス数」が「記録」に入らないことはその通りですが、じゃあ速度が至高ということでしょうか?
確かにそうなんですが、7ラップの間ずっと速度が高くても、8ラップ目で詰まったら意味がありません。
至上目的は「記録の向上」であり、速度・正確性・安定性、その他色々をかけ合わせて、「とにかく記録を更新できること」が重要となります。
つまり、「乱打」も「正確性」も「安定性」も、「速度」すらも、何もかも、記録を出すためのツールであり、それ自体に価値は無いということが言えます。 

 

 さあ大きく出てきました。僕はこれ結構びっくりしました。「速度は無価値」ですよ。マジかって感じですね。

 でもちゃんと考えてみると実際そうなんですよね。極端な話、どんだけ速度持ってようと正確性が絶望級だったらミスオーバーで打ち切れませんから。安定性が絶望級だったら1ラップ目でZDラップ出して2ラップ目でSEラップ出してって、それじゃマトモな記録になんないですからね。そう考えていくと確かに「速度」自体には価値がないと言うことができそう。

 要は単純な速度含めて色々な要素が絡まりあってそれが記録のベースになってくるんだって話ですよね。他にも「メンタル」だとか「指の調子」などなど短期的なものも影響してくると思います。

 

 ううん、ただ、重要度の違いってのも考えたいポイントですね。TWではさすがに速度が一番重要だと思います。だけど例えば寿司打一発勝負とかそういう競技、あれだと正確性が何より重要になりますよね。和文実用なら安定性やさらに変換力なんてのも関係してきたりして。

 TWでは速度が特に重要で、もちろん正確性や安定性もいくらか必要なんだけれど、それらは補足的なものに過ぎないからTWは乱打するのが一番更新するうえで手っ取り早い、、、みたいな見方をどうしてもしちゃいますね。

 ちょっと余談入れてみると僕中高と卓球やってまして、どちらも比較的真面目な部活動だったので運動部らしく筋トレとかやらされたわけですよ。でも全然目に見える効果がないし、遠回りすぎじゃないかなって常々思ってました。中学生レベル、高校生レベル、県大会出場できたら万歳ぐらいなのに基礎体力って必要か?と。勝つことを考えるならそれより実際に台で打って技術つけた方がよほど効率的じゃないの?と。

 タイピングに関しても同じこと思ってて、自分の「速度」はまだまだ伸びると思ってるし、正確性練習を下手に挟むよりは乱打で脳筋鍛えたほうが効率的なんじゃないかと。でもって自分がそうだから他の人もそうだと思っちゃうんですねアホだから。それで「みんなとりあえず速度伸ばそうよ」なんて言っちゃうわけです。

 

 今思ったけど、パワプロクン育成みたいな視点持つと捗りそうですよね。あれ能力値を上げるのに必要なポイントが徐々に上がるじゃないですか。パワーFのうちは筋力ポイント2で1上がるのにAになると14使ってやっと1上がる。いくら強打者作りたいだけつっても走力Fじゃちょっと試合に使えない。だからほんとはパワー上げるのに充てたい筋力ポイント使って走力も上げてやるかってなるじゃないですか。あんな感じ。伝われ。

 

 

今すぐ正確性を上げようと思ったら速度を下げなきゃいけないし、今すぐ速度を上げようと思ったら正確性を下げないといけません。
※いや、前者はいいとして、正確性を下げたからと言って速度が上がるかというと微妙かな?

 

 全面同意。ちょっとすぐノーミス出せと言われたらZJペースなんて諦めます。後者の怪しい感じもよく分かります。……おそらく多分きっと、正確性を捨てれば速度は上がるんだと思います。でも大体安定性なんかもメチャメチャになってベチャベチャに詰まっちゃうから体感はしにくいって感じじゃないかな。

 

 

しかし、長期的には、ちょっと話は複雑になってきます。
cocoaくんはパネルディスカッションの中で、「とにかく乱打で速度を上げてから、正確性が必要なら後で上げればいい。正確性は後からついてくる」と話していました。
逆に、「正確性の高い打鍵(≒無駄の無い打鍵)を身に着けた方が速度が上がる」という考え方も有り得ます。

 

 これはある立場を提示したわけでなく単純に自分の持論です。他のブログやTwitterなんかでも散々主張してますが、あんまり同意は得られてないかな……。※追記:テルさんに同意得られました☆もう絶対普遍の原理な気がしてきますね☆

 これと対比になるのは「正確性は速度に先立つ」だよねそりゃないっしょwと思ってたんですが、今読んで、「無駄のない打鍵は速度向上の前提になる、あるいは速度向上を大きくアシストする」ということならそれは分かる気がしました。これはちょっと自分に欠けてた見方かもしれないです。

 

 

1. ミスと言っても、速度が落ちないなら別に良いんでは?

 - 詰まってしまうミス(ex. aを打とうとしてzを打ってしまうとか)は、もちろん言語道断ですが……
 - 詰まらない(=速度に影響しない)ミス(ex. aを打とうとして、zaと打ってしまうとか)は別に悪くない?
 →詰まっていないとしても、時間的にはロスしてるんでは?
 →そもそも、ミスが出るような動きは、無駄があるのではないか?
  (動きの無駄が、結果としてミスに表れているんでは? →だから減らすべき!)

 

 はいぼく言語道断ですね。RとTよく間違えます。しばらくサボるとRとSすら間違えるようになります。((精進します。

 「詰まっていないとしても、時間的にはロスしてる」について。多分この意見出した人とは想定してるシーンが違うんですが、特に1行目ちょっと打ってすぐEscってのを繰り返してるとき、「結果的に入力は詰まっていないのに、指が誤作動したから詰まったと思ってEscしてしまう」ことがわりとあります。これも動きの無駄が記録の芽を殺してる例ですよね。

 

 

2. 「ミスを前提とした最速の打鍵」ってのもあるのでは?
    ex)muを打つ際にm→(jを巻き込みu), pinpon(打ちにくい!)→poinpoin(打ちやすい!ほぼ2ストローク感覚!超速タイパーしろこさんの提案。
 →「ミス」をとにかく悪者!と捉えてしまうと、視野が狭くなり、運指の可能性を狭めてしまう!?

 

 うーん。ちょっとレベル高すぎてよく分からないですね。もうちょっと具体例がほしいです。でも、paraphrohnさんがいうところの「不快なワード」と遭遇したときにこういう改善、対処のアプローチがあるってのは覚えておきたいですね。

 

 

◆正確性タイパーって?乱打タイパーって?
 - 乱打タイパーとは…しろこさん「ミス数というより『速度に影響しないミス』を許容してる人」
   →ミス2桁でタイムロス0.1秒なら、洗練された、無駄の無い打ち方(美タイピング)と言えるのでは?
 - 逆に言えば、ミスをすることでタイムロスがあるようでは、乱打タイパーとしてもまだまだ未熟と言える

 

 これ明確な定義が一生できないからゴタゴタになりがちですよね。一般的なイメージでは乱打タイパーって単にミスめっちゃ出す人、ぐらいじゃないかな。

 ここで言ってるのは不必要なキーまで(意識的に?)ゴリゴリっと巻き込んで、ミスを出しながらも詰まらずに打ち進めていける人のことですね。これが(洗練された)乱打タイパーだと。まさにそれって感じの人は…きるさんが代表ですかね?

 とにかく、TWで一番やっちゃいけないのは詰まる、タイムロスをすることなんだから、ミスした場所はもちろん参考になるけれど、どこでタイムロスがあったかってのを振り返ることが大事そうですね。

 

 

◆ミス制限練習 意味あるの? +はポジティブ意見。Nは中立。-はネガティブ意見。
 + ワードとの対話が促進される(あやふやな運指のワードは制限かけないと潰せない)
 ※例えばノーミス制限をしてる時に、pinponが出てきて、ビクっとしてすぐに打てなかったら、それはpinponというワードとの対話が足りていない(pinponという文字列に対応する的確な指さばきが頭に染み込んでいない)
 + 無理なく加速できるところが掴めてくる(ワード、打鍵動作毎の速度調整の練習)
 ※これ、個人的に重要だと思う!

 

 これは確かに。目からウロコポイントその2。ノーミス縛りとかしてると「あ、自分、このワードで日和っちゃうのか」ってなること、そういえばよくあります。そうなったときいつも「あーあ自分ってへたくそだなあ」って思って考えることやめちゃってました。意識低すぎですね。ミスらずスムーズに打てる確信が持てなかったワードとはもっと対話すべきでしょう。そこから自分の苦手傾向や苦手意識傾向も見えてきそうです。

 無理なく加速できるところってのも現状ほぼ感覚で掴んでるだけなので、例えば自分はこういったワードなら問題なく打てるよ、みたいなのを挙げられるぐらいになればより一層お上手タイパーになれそうです。

 いやあこの項目面白かった。

 

 

- 強制終了されるので詰まってからのリカバリ練習ができない
  →リカバリを要する状況ってそもそも最高記録にならないからTW的に無意味では?

 

 エタイ腕試しなんかはもうリカバリ要する状況なったら終わってますね。TWはどうかなあ。リカバリ力ってのを意識したことなかったからわからないや。今後の課題。

 そういえばリカバリ力、実用ではかなり重要な力だと思うけどこれ案外語られないよね。訂正力とか。単に自分がワープロ部界隈とかと縁薄いからかなあ。詳しい人いたらミス察知の要領とか教えてください。

 

 

◆逆に、ミス制限練習の乱打版(強制的に速度を要求される練習)ってあるのか?

(略)

(上記のような練習のメリット)

- 速度感が変わる(高速道路の後で一般道が遅く感じる)

 

 分かるわ~首都高3号線下りから渋谷ICなんかで246降りた瞬間の落ち込みヤバいよな~。いやすいません。さておき、ちょっと歌謡とか見えたので宗教の都合で略してしまいましたが、別ゲーからTWに移ってくると速度感が変わるってのはすご~~く分かります。結構キーなワードだと思います。「速度感」。TyperacerのあとのEWは全然速度出ないけどWTのあとのJRはトップスピードがよく出るような気がする(だけで実際は別に上がってなかったりする)。

 記録を出すのには乱打、という持論からもっと言うと、実力を超える速度域までいかにしてオーバークロックさせられるか、というのが大事だと思っています。(ついでに、その経験の積み重ねが速度を向上させると思っています。筋肉の超回復みたいな感じ?)これやるためには自分の限界速度域を誤解しなきゃいけないので、何かしらの別ゲーを使って速度感を変えてやるってのはわりと有効な方法かなあと。まあ言うは易しでめちゃめちゃ難しいですけどね。

 

 

◆ミス制限練習以外に、ミスを少なくするための練習ってあるのか?

(正確性への意識を高めるための方法として)

 

 これだ!ってものがなかったです。「ノーミスを出したら褒めてくれる彼女を作る」ってのは良い方法だと思いますが、実現可能性(feasibility)ってもんを鑑みると、一般的なタイパーの皆さまにおかれましては、現実的ではないんじゃないかと。

 自分にとりあえず必要なのは、正確性の必要性を理解する、ってことかなと思います。ミスを少なくすることでTWが速くなるっていう実感さえ得られれば自分も勝手に何かしら練習方法見つけてやると思うんですよね。そういうメンタル的なとこから始まるかなと。方程式って何の役に立つの?みたいな話で。

 

 

(正確な認識・組立・動作を練習する方法)

 - 最初の文字を意識していつもよりゆっくり入る(溜め打ちで正確な指さばきを意識)
   →(派生)先読みが間に合う速度で打つ
  →(派生)ワードの打ちやすさを先読みの段階で判断する
 ※個人的に、この練習を知ったのは今回の配信で一番の収穫! 溜め打ちで速度を上げるのは当然だけど、溜め打ちで正確な指さばきを意識した練習をするのは目から鱗だった!

 

 これおもしろいなあと。溜め打ちって確かにWT語って感じであまり使われないうえ速度のためにやるもんってイメージだったので、その発想はなかった~って感じです。TWでやるのもアリですよね。記録狙いだと打ち始めだけはスタートダッシュが要求されて、先読みのストックがない状態で不安定なまま走っていかなきゃいけないですからね。だからしょっちゅう1行目Escになっちゃうんですけど。十分に間を置いてから打ち始めるってのは練習になりそう。

 あと「ワードの打ちやすさを先読みの段階で判断する」っての僕のコメントですが、これはまあ特に何も考えず練習してても身につくかもしんないですね。ちなみに対戦系だとこのスキルそ~と~役に立ちますよ。TODとかね。

 

 

- リズムの分割位置を変えて、ミスしやすい動きを減らす ex)oti oti→otio ti

 

 これぼく苦手なんです。分割位置が元の日本語の雰囲気に引っ張られちゃって、タイピング用の認識に改めるってのがしんどいです。「あっぷあっぷ」でもappu appuで掴んじゃってますからね。…ただこれ相当高レベル層向きの話かなとも思うので焦ってやる必要もないかなってのが正直な感想です。「このワード、認識の区切り変えたら打ちやすくなるな」って気づければ十分かなと。

 

 

◆結局、成長していくために、どっちがいいのか? どのぐらいが最適なのか?
 - モチベマンかどうかにもよる(そもそも楽しいやり方じゃないと続かない)
 - テル…ミス一桁ぐらいをベースに、色々試行錯誤して調整するといいんじゃ?
 - 司さんを見てると、自分もミスを減らした方がいい気がしてくる?
 - ミス少なめベースがいいと思う 不調も少なくなると思うし
 - ミスが少ない方が加速はできないけど、ゾーンに入ったときと近い体感ができる?
 - 短期的に実力を超えた記録を出すには乱打が前提?
 →テルはそれには反論した 自分の打鍵スタイル以上の乱打をしても更新しにくいと思う 逆に乱打のが速度が出るなら、乱打ベースでいつも練習してみてもいいのでは?

 

 いろいろ意見ありますね。ちなみに「短期的に実力を~」は僕のコメントです。お前がそうならそれでいんじゃねみたいな突き放され方してて悲すぃですね>< でも更新しにくいってのはよーく考えるとそんな気もしてきました。ミスの少ない…というか、タイムロスの少ない、詰まることの少ないトライアルを増やすことで、自ずと更新につながる可能性のあるトライアルも増えることになりますからね。

 おおかたの意見としてはミスは少ないほうがいい、という感じですね。ゾーンに入った体感ってのは経験ないからどんななのか気になるところです。

 

 

 

 ざっくりまとめ。というか、自分の収穫。

  • 速度が全てじゃない。正確性や安定性、はたまた乱打力などなど、様々な要素が関係しあったうえで記録のベースや更新可能性が決まってくる
  • ミスは何もかもがダメじゃないが、実際、不十分な認識やワードとの対話不足などをえてして表すものである(から、目に見えやすいミスを減らすことはタイムロスの原因を排除するうえでかなり有効といえる)
  • ミス制限練習は、潜在的に自信が持てていないワードを炙り出すのに有効である(ミス即終了だろうといくらでもやり直しできる状態ですら指が止まるなら、それが青ゲージ保って辿り着いた8ラップ目の後半に出てきたらどうすんのって話)
  • ノーミス出したら褒めてくれる彼女を作ろう。ぶっちゃけこれだけで正確性はバッチリ!やったね

*1:この辺分かりにくくてすいません。乱打はいいぞ。ってことです。